FFRI-Tech-Meeting #2
技術戦略室の川原です。
先月より定期開催となったFFRI-Tech-Meeting #2の模様をお伝えします。
第一回ではディスカッションをメインとしたセッションもありましたが、今回からプレゼンテーション形式に統一されました。また、終了後参加者から匿名のアンケートを実施し、集計後発表者へフィードバックされることになり、発表内容には業務的価値が高く、技術レベルが高く、それでいて面白く、分かりやすく、プレゼンとしての質も高いものが求められ、参加者にさらに詳しく知りたいと思ってもらえるように発表者は取り組んでプレゼンしました。
では本題のセッションの紹介に移ります。
今回のアジェンダは、以下の通りです。
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【第1部】
15:00 - 信頼できるソフトウェア(システム)?を作る by 大居(技戦)
15:30 - CSS/MWS2012 ガチレポ by 松木(先技)
【第2部】
16:30 - ニューラルネットワーク初級
―バックプロパゲーション― by 岡野(第二)
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まず、1番手の技術戦略室大居からは、信頼できるソフトウェアやソフトウェアシステムを作るための様々な方法論を実際に使用した調査レポートがありました。
あらかじめ設計で何を行うかが決まっているソフトウェアで信頼性を確保するには幾つかのアプローチがあります。この報告では静的コード解析、動的解析、ソフトウェアテスト、そしてソフトウェアの性質を証明する形式手法についてcppcheck、Address Sanitizer、Buildbot、Coq 等幾つかのオープンソースソフトウェアを試し、これまでのバグ発見事例などと併せてどのような場面で有効かを考察しています。
以下参考URLです。
http://cppcheck.sourceforge.net/
https://code.google.com/p/address-sanitizer/
http://coq.inria.fr/
2番手は先端技術研究部の松木で、「CSS/MWS2012」に関するレポートを行いました。
以下発表者本人からのセッションのサマリーとセッション終了後の感想です。
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・セッションのサマリー
先週開催された MWS(マルウェア対策研究人材育成ワークショップ)2012 の参加レポートを行いました。
MWS の背景やデータセットの概要、論文賞を受賞した論文やセッションの傾向などを紹介しました。
また、過去最高の盛り上がりを見せた実践的なマルウェア解析コンテストであるMWS Cup で出題された問題や参加チームの紹介も行いました。
・感想
今回の MWS は、初めての試みであるハンズオンや多数の企業講演者による特別セッションもあり、短い時間では全てを紹介しきれない非常に盛りだくさんな内容がでしたが、勉強会を通して MWS の魅力を少なからず伝えられたと思います。今後も FFR が日本国内のマルウェア対策研究人材の育成に寄与できれば幸いです。
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ちなみに技術戦略室の村上もMWSへ参加しており、下記ブログにてレポートしていますのでぜひご参照ください。
MWS(マルウェア対策研究人材育成ワークショップ)2012 レポート1
MWS(マルウェア対策研究人材育成ワークショップ)2012 レポート2
最後のセッションは、プロダクト開発第二部の岡野から「ニューラルネットワーク初級―バックプロパゲーション―」というタイトルでのプレゼンが行われました。
以下発表者本人からのセッションのサマリーとセッション終了後の感想です。
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・セッションのサマリー
本セッションでは、機械学習の手法として古典的な技法であるニューラルネットワークにおいて、実用可能レベルのひとつの目安であるバックプロパゲーションをデモを交えて解説しました。また、バックプロパゲーションが持つ既存の問題と、その問題を解決するためのアプローチをいくつか紹介しました。
・感想
本セッションでは前回紹介した単純パーセプトロンと比較して、どのような手法をもって非線形分離問題を学習するのか解説することを目的としてプレゼンしました。今後は2値判別の機械学習法として高い精度を持つSVMなどについて調べていきたいと考えています。
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今後もFFRI-Tech-Meetingの模様を随時お伝えしていきます。
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